昔とった杵柄
- 2012.11.29 Thursday
- 13:32
12月1日(土)にかまどでお粥を炊くイベントをやることもあり、
桜山木材さんのご好意でたくさんの薪を分けていただいたので、
今日の午前中は木っ端作りをすることにしました。
これが意外と大変で、長い薪などはのこぎりで切ったり、太いものはナタで割ったり・・・
(Tさん、ナタありがとうございました!)
手間も時間もかかるのですが、
かまどにくべてしまうとあっという間に薪の山は小さくなってしまいます。
そんなわけで、日頃家でゴロゴロしている父に薪作りをお願いしてみたのですが、
現役時代は木工をやっていたこともあり、頼んでみると
まんざらでもない様子で引き受けてくれました。
昔取った杵柄とはこのこと、のこぎりやナタの扱いは慣れたもので、
節や木目の見方なども教えてくれました。
「たまにはいいな。」と、生き生きとした姿を見るのは、わたしにとってもうれしいことです。
しかしそこは79歳。薪の上に座りながらのんびり作業です。
木材を扱っていると鼻水が出てくるのですが、木屑のホコリだけではなく、
木材に含まれる精油成分のα-ピネンに粘液溶解作用があるせいもあるでしょう。
ジュニパーやパイン、シルバーファー、サイプレスなどに多く含まれています。
さて、ナタで薪を割っていると、割れやすい木、割れにくい木と、
ひとつひとつ感触が違うことに気づきます。
節のところを無理に割ろうとしても、割ることはできません。
もちろんわたしは薪をたくさん作りたいのですが、
結局は木のありように任せるしかないところがあります。
長年父は、こうした経験を通して物事に向き合ってきたのかなと思うと、
わたしよりもずっと賢く世の中を見ているように思えてきます。
「俺でも役に立ったか?」と言って、よれよれ自転車で家に戻る姿に
ささやかな尊敬と感謝を込めて見送りました。
人生も木目を見るように見れたらいいのですが・・・ね。
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