在宅緩和ケアの場にうかがいました
- 2011.11.28 Monday
- 17:30
緩和医療(緩和ケア)とは、
生命(人生)を脅かす疾患による問題に直面している患者およびその家族の、
QOL(人生の質、生活の質)を改善するアプローチである。
苦しみを予防したり和らげたりすることでなされるものであり、
そのために痛みその他の身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題を早期に発見し、
的確なアセスメントと治療を行うという方法がとられる。〜WHOの定義文2002より〜
ターミナルケアとは上記のような緩和医療に、
より精神的な側面に重きを置いた総合的なケアといったところでしょうか。
この二つの呼び名がどれほど大きく区別されているのかはわかりませんので、
今回はひとまとめにお話します。
先日、在宅緩和ケアに取り組んでいる方のお宅にお邪魔しました。
クライアントは1年ほど前から寝たきりになられた、ご高齢の膀胱がんのおじいさま。
がん患者の場合は、トリートメントは循環器機能の活性による転移の可能性が懸念されるため
禁忌となりますが、緩和ケアには有効な方法のひとつと考えられています。
1年半ほど前にお会いしたときはまだお元気で介助をすれば自立歩行もできていました。
認知症は進んでいるものの頭の回転がとても速く、
「ダンスでもしようか?」なんて紳士なお誘いをしてくださったり、
耳が遠いなりにも一生懸命お話を聞いてくださり、一緒に歌を歌ったりしたことが思い出されます。
何かお役に立つことがあればという思いでおじゃましました。
意気込んでお伺いしたものの、お食事後だったりお休み中だったりとなかなかタイミングが合わず、
その日は、付き添われているおばあさまのハンドマッサージをさせていただきました。
私にとっても初めての緩和ケアアロマテラピートリートメントの試みでしたが、
このような場合は
クライアントが起きている時間やマッサージに適するタイミングも限られていること、
その方の生活のリズムにちょうどよく伺うことも大切だということが勉強になりました。
何ごとも一歩ずつですね。
さて、私がこのとき持って行ったオイルはフリクションオイルHARを0.5%に希釈したもの。
濃度は低くても、ほのかに、でもしっかりとした香りがあります。
Harmonie(仏),Harmony(英)=肉体、精神、心に調和と平穏をもたらすブレンドです。
カモミールやサンダルウッド、シダーウッド、ローズなどが贅沢にブレンドされて、
香り自体に素晴らしい調和があるように思います。
甘みがありやさしく静かに深いところまで入り込むような香りで
心が満たされるような感覚をもたらします。
医療や介護の現場だけでなく、心を鎮め穏やかな気持ちで人生の新しい扉を開けたいとき、
支えてくれるのはこんな香りではないでしょうか?
ヴィアローム国立ホームページ